あなたの周りにはいますか? – 学校へ行かなかった頃 1


サブタイトルを「学校へ行かなかった頃」と書いてはみましたが、実はしっくりきていません。

なぜかというと、”行かなかった”という言い方には”行く”のが当たり前の基準としてあって、
“行かない“は、その”行く”という基準から逸脱した、外れた行動だという意味合いが含まれているかんじがするから。

不登校もそう。
『不登校』という単語自体が、
『登校』に、「〜せず・しない」という意味の『不』をつけたもの。

学校にいくこと(:登校)がデフォルトで、それをしない(:不)

だから、「ほぼ家にいた小学生時代」とか「10歳から12歳はだいたい家にいた頃の話」でもなんとでも言える。
けれども現代、この国では『不登校』がみんなにとってわかりやすい。
理解できる言葉で書かないことにはしょうがないので「学校へ行かなかった」または「不登校」という表現を用います。
(当時は「登校拒否」といわれましたが、ここでは基本的に「不登校」とします)

数でみる、不登校児童生徒数

あなたの周りにはいますか?学校へ行かない子

もしあなたに小学生か中学生のお子さんがいて、その子が学校に通っているとして、

「ずっと学校に来ていない子、隣のクラスにいるよ」
とか、
「うちの学年に不登校の子、4人いる」

といった話、聞いたことはありますか。

実際にお子さんとの会話でそういった話題がでたという方も多いと思います。
また、知り合いのお子さんが不登校、という話は
あなたが教師なら、受け持つクラスに、学年に、学校全体で不登校の児童生徒はいるでしょうか。

自分が子どもの時より増えてるな…などそれぞれ感じることはありますが、
では実際の数字はどうなっているのか、見てゆきましょう。

100人に1.2人が不登校

日本では子どもたちの数は全体で減っているのに不登校とされる子どもは増えています。

2015年の調査をみてみましょう。

・小学校の在学者数は654万3千人
・中学校の在学者数は346万5千人

・長期欠席者(30日以上の欠席者)のうち,「不登校」を理由 とする児童生徒数は12万3千人。

文部科学省 平成27年度学校基本調査

計算すると、100人に1.2人が不登校ということになります。
仮に、ある小学校で33人のクラスが一学年に3クラスあるとすると、その小学校全体では7〜8人は不登校という計算に。

ひとつの小学校に学校に行っていない子が7人。

この数字を見て、あなたは多いと感じますか? 少ないと感じますか?

とっても単純に計算して出した数字ですが参考になるかもしれません。

それってもはや名人芸

なにかを3年5年10年…って続けたこと、ありますか?

編み物、ジャズダンス、ヨガ、水彩画、将棋…
趣味のために教室に通っているとなると週1回とか、週に2回だとかなり多いほうなのでは。
毎週、水彩画描いてたらさすがに上手くなりますよね。

はたと気づく。
学校って、週に1回どころか毎日行く。

しかも3年や5年どころか義務教育だけでも9年間。

朝8時半には登校し、着席し、45分間か50分間ぶっ通しで椅子に座って教師の話を聞いたり、係りの仕事をしたり、友人関係にも気をくばり。

6歳で学区ごとに指定された小学校の校舎へ来る日も来る日も足を運ぶ。

産まれてから10年経つか経たないかの人間がみーんな、それを毎日続けるとは… とんでもない芸当だ。

学校に行く。しかも毎日欠かさず。
それってもはや名人芸では?

しかも小学校6年、中学校3年、高校3年と合計15年間。ほぼ奇跡。

15年も一つのことを続けていれば、真打昇進。弟子をとれるレベルよ!

しかも自分で「ぜひ、学校に毎日行きたいっす」って選んで始めたわけじゃあないんでしょ?
好きで始めたことでもない、
それを毎日続ける。

そりゃあ、ちょっと数年間くらい休憩もしたくなるわな!
そりゃあ、「毎日はちょっとしんどいかな…」ってなる人いるいる!しゃあないしゃあない!

じゃあ、ちょっと休もう。
それはごくごく自然なこと。

…いつからかそんな風に考えるようになりました。

もう一度、質問

あなたの周りにはいますか?学校に行っていない子。
あなたは学校に行っていますか?行っていませんか?

その子のこと、どう思いますか?

次回からは記憶をたどり、小学4年生だったわたしが学校に行くのをやめてどうしていたのかや、周りの大人の反応などを書いてゆきます。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます^^

(不登校の反対語って、登校なんだけど、
じゃあ学校に行くことって「不」をつけるとどうなるんだろう?
家にいることが在宅で、
学校に行っていると家にいないことになるから…『不在宅』か?
なんか、宅配便みたいだなあ。)