炊飯器をやめる – やめてよかったこと

炊飯器って何に使うのでしょうか?
三角形に角はいくつあるでしょうか?
オレンジって何色でしょうか?

ん?

東アジアは日本地域に生まれ育ったわたし。
言語からして米=ご飯、ご飯=食事、
ということは… 米=食事!
「ご飯食べる?」の一文をただ提示されたとして、
この”ご飯”は食事(meal)を指しているのか、
または単に米(rice)のことか判別不可能!相当、米に狂った地域と思いますよ。

そこにたまたま生まれ、赤子の頃に固形物を口にするようになってから20余年、
ご飯、いわんや米はほぼほぼ毎日食べてきた。

巷では3月、4月になると家電量販店で
「ホラ、当然みなさんに必要な家電をセットにしておきましたよ。どうぞ。」
…といわんばかりな『新生活家電セット』的な仲間の一員として炊飯器は冷蔵庫・洗濯機・掃除機・電子レンジなどと組み合わせて売り出される。

米を炊くのは難しいのか?

米は鍋と火ではなく、炊飯器で炊くものである。
そう、わたしに刷り込まれていったのにはさらにいくつか要因がある気がする。

ひとつに、生まれ育った家庭に炊飯器があり、また出入りする機会があったどの家庭にも炊飯器があった。
「うちは鍋で炊いてます」なんてフレーズは聞いたことのなかった。
(ここ1〜2年で、急に鍋で炊く人に会うようになった!)

ふたつに、小さな頃に体験したキャンプやアウトドアなんちゃらでは大人たちが”飯ごう”で炊飯する様子を見ていたのは一度ではない。
結論、炊飯は失敗だった。わたしの記憶の限り。
きっと成功したご飯も食べさてもらったんだろうけれど、
覚えているのはお米の芯が残っていたり、
”おこげ”どころか本当に黒く焦げてしまったりしたご飯。
「お米って炊くの難しいんだな〜」という印象が残った。

みっつに、かの有名すぎる、リズミカルなこのフレーズ。
はじめチョロチョロ 中パッパ 赤子泣いても蓋取るな
特に「赤子泣いても」のくだりがすごくデリケートで厳しいひびき!

そうして
「米を炊くのって難しいものなんだ… 鍋と火で炊くのは昔話の中の人か専門の料理人に任せておいてうちでは炊飯器にやってもらおう…」
こうはっきり言葉にしたことはなかったが、どこかでそう思い込んだままだった。

ある時、お鍋で炊いてみた。拍子抜け。
こーーーーんなに簡単なのか!!!
そんなことで。
引っ越しで生活に必要な物を揃えたけれど、炊飯器はリスト外に。(電子レンジ、トースター、掃除機、テレビなども)
だから「炊飯器をやめる」というより、
「炊飯器をはじめない」と表した方が正確だ。

お鍋でお米を炊くメリット

  • 早い!炊飯器より炊き上がるのが早い!デフォルト=早炊き…
  • スペースを取らないこと。やはり。要るのはもともと鍋を収納するスペース。
  • キッチンがすっきり。掃除しやすい。
  • やっぱり炊飯器様は鎮座いただくと出しっぱなしに…
  • 炊飯器の掃除が要らない。
  • こう、蓋を開けている間にでんぷん質を含んだ水分が思わぬところに垂れていたりして、いつの間にかパッリパリが溜まっていたりする。それを拭き取るのは…わたしにとっては手間。
  • もちろん鍋で炊飯するから鍋は洗うんだけど、その方が毎回まるまる洗えてよい。
  • 電源も要らない。(ガス火で炊飯する場合)
  • たのしい! かたいお米の粒がどんどん水分を含んでいって、ちゃんと”ご飯”が炊き上がってゆく様子が、炊飯器の密室?に隠れていた時よりも感じられておもしろい。


補足!
ふつーうのお鍋で炊けまっせ!
わざわざご飯炊き用の鍋を買わなくてもよいので
まずは家にある鍋と蓋で炊いてみる価値あり!
フ… フライパンでもできる。

そもそも、何に使うんだっけ?

ここまで書いておいてなんだけれど、
炊飯器をやめるか、やめないか… は結局のところどちらでもよくて、

(ご飯を食べる人数や量が多く、おかずの品数を作るためにコンロを炊飯に使えない、など炊飯器にとっっても助けられる生活はすごくわかる!)

自分の今のライフスタイルに必要か?
を自分に聞く。これが大事。

たとえば『新生活家電セット』をそのまま買う前や
炊飯器が壊れたタイミングや
かっこいい広告の高級炊飯器にグラっときたら…

「炊飯器があるのは当たり前」という思い込みを取っ払ってみる。
新しい形や機能の電化製品が「欲しい」のか「必要」なのかフラットに検証してみる。(誰しも新しいギアを導入するのはウキウキするもの!)


「そもそも何に使うんだっけ?」
「これ、自分のライフスタイルに、本当に必要か?」
そう、家でお店で自分に聞くものだから
買うものがめっきり減ったわたしです。